東郷 かおる子

定価: ¥ 1,680
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発売日: 2004-04
発売元: 扶桑社
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たまには実家に帰って両親に顔を見せてやろうかと思う。しかし、田舎というのは超退屈なのだ。本の2~3冊は持ってかないと間が持たない。今回の帰省では「QUEEN of the DAYクイーン・オブ・ザ・デイ―クイーンと過ごした輝ける日々」を旅の友とすることにした。
JR上野駅から宇都宮線に乗る。幸い、上野発の列車なので席は座り放題だ。さっそく「QUEEN of the DAYクイーン・オブ・ザ・デイ―クイーンと過ごした輝ける日々」を取り出し、本の中に没入するが、馬鹿な子供が私の周囲で嬌声をあげている。いや、嬌声などという生やさしいものではない。
ここは動物園か?と言いたくなるほどの野放しぶりだ。親が見ていない隙に「QUEEN of the DAYクイーン・オブ・ザ・デイ―クイーンと過ごした輝ける日々」の表紙の角で奴らの眉間を思いっきりヒットしてやった。
ジャーナリズムの悲しさ
彼らが輝いていた時には幼すぎ、彼らの音楽を聴く準備ができた時には彼らはすでに”旬”を過ぎていた、という不運な者にとって、この本の中には貴重な事実の記録が多くちりばめられている。特に日本や世界の、音楽を含めたいろいろな背景との絡みは、音楽雑誌の編集長ならではの分析眼である。また、メンバーそれぞれの人柄も少しは覗ける場面もある。ただ、彼女の熱い思いとは裏腹に、Queenの素顔や真意がこの本の中にあるかというとどうなんだろう。やはりそこにはジャーナリズムの悲しさを感じざるを得なかった。
増補版が出ないだろうか?
著者の論評の正確性については、雑誌の編集長以来問題ない。おそらく、イギリスやアメリカ以外で書かれたQueenの論評としては最高のものであろう。きわめて詳しい、実体験に基づいたものであり、かつ、きわめて近しい立場にありながら、そのことを「鼻につかせない」抑制の効いた見事なものだと思う。
ただ、できれば、この本の出版後に彼らの曲がCMに使われたり、フレディーの死後の再結成について、「増補版」を出してもらえるととうれしいのだが。
さすがである!
日本を代表する音楽雑誌であったミュージックライフのもと編集長だけある。さすがの内容だ。背景の音楽事情の記述についても、最近よく見られるような自身の体験に基づかないいい加減な記述とは大違いだ。著者自身の経験に基づき、しかも正確で読んでいて気持ちが良い。そして何より、ミュージックライフが育てて世界に送り出したと言っても過言ではないクイーンにたいする著者の愛情が伝わってくる。大変楽しい本です。
